おかえり集学校ビジネスマガジン Vol.1
おかえり集学校ビジネスマガジン Vol.2
一般社団法人メディカルリズム協会
代表理事
若林竜丞
一般社団法人メディカルリズム協会はコミュニケーション形成を目的として打楽器の合奏を行うという“ドラムサークル”を開催しています。2023年以降、全国の集学校でイベント開催する計画が進んでいます。
ドラムサークルの魅力、可能性について代表理事の若林竜丞さんにお話をうかがいました。
太鼓を使ったコミュニケーション
「ドラムサークルという名前でやっていて、内容としてはみんなで輪になって太鼓をポコポコ叩く。そうして、即興でリズムを作って行く流れでコミュニケーション形成を行っていくってものなんです」
学校、高齢者施設、障がい者施設での開催のほか企業研修で実施した例もあるとのこと。
「太鼓であれば、子どもさん、高齢者さんでも簡単に音が出せるので、世代間交流みたいなことにも使える。また、障がい者施設であれば、障害の度合がちがう利用者さん同士でも同じ活動ができるという例があります」
誰でも簡単に演奏できるという点で、コミュニティ形成にとても有効な活動であると若林さんは教えてくださいました。
「例えば、歌を歌いましょう、ダンスをしましょう、だと、自分が他人と比べて上手い下手など、誰かの目、評価を気にしてしまって参加しにくい。太鼓を叩くとなると、誰でも簡単にできることであるがゆえに、そうした評価を気にするような心理的な負担が少なくなります」
“参加しない”“やりたくない”を受け入れる
メディカルリズム協会が主催するドラムサークルの現場で、大切にしていることがあるといいます。それは参加者に“参加することを強制しない”“やりたくないことを認める”ということだそうです。矛盾しているような言葉ですが、具体的にはどういったことなのでしょうか。
「例えば、子ども向けにドラムサークルの活動をした場合。叩かない子にはその気持ちを尊重してあげるようにしています。これが学校の音楽の授業であれば、参加しない子に、なぜ参加しないの?やりなさい、と促しますね。私たちの活動の場では、そういった呼びかけは行いません。叩いても、叩かなくてもいい、これが“やりたくないことを認める”という意味です。強制力をもたらさずに、叩きたくなったタイミングで参加してもらう」
はじめは参加しなかった子どもが、みんなの雰囲気をみて途中から参加したりすることもあるそう。こうした、強制力を伴わず、あくまで自主的に行動してひとつの活動を行うという場づくりは、社会形成そのものだと若林さんは教えてくださいました。
「太鼓は言葉と違って、自分が叩きながら相手の音をきくこともできる。言葉でうまくやりとりできない子どもたちにとっては、コミュニケーションのハードルが下がるんですね」
コミュニティ形成
このようなドラムサークルの活動は、子どもたちだけに向けたものではありません。対象が幅広いのも特徴のひとつです。年齢や個人の状況、障がいの有無などに限らず、コミュニケーションに苦手意識を感じていたり、社会との関わりを持つことが難しい人に参加してほしいそうです。
例として、過去に東日本大震災を受けて被災し、仮設住宅に入居された方々を対象に実施したときのエピソードを教えてくださいました。
「集会所みたいなところで主にお年寄りの方たちといっしょにやりました。みなさんとっても楽しかった、と言ってくださいました。そして、終わった後に町内会長さんから教えてもらったのですが、実は、その場にずっと仮設住宅に引きこもっていたあるおばあちゃんが参加してくれていたらしいのです。町内会長さんはとんでもないことが起こった!とびっくりされていました」
メディカルリズム協会はこれから各地の集学校でイベント開催する計画が進行中です。若林さんは、ドラムサークルを地域コミュニティを再形成する手段として展開していきたいと話します。
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