おかえり集学校ビジネスマガジン Vol.1
おかえり集学校ビジネスマガジン Vol.4
よしの農林業週末塾
オーガナイザー
秋谷奈美
よしの農林業週末塾は農業と林業を通じて人間力をつける“農業セラピー”をコンセプトとして奈良県吉野の下市町で活動されています。
よしの農林塾の活動の特徴や可能性について代表の秋谷奈美さんにお話をうかがいました。
秋谷さんオリジナルの“農業セラピー”
秋谷さんは農業を通じてココロを豊かにする、人間力をつけるということを目的に農林塾を主催していると話します。秋谷さんはこの取り組みを“農業セラピー”と名付けています。
「私は埼玉県出身、東京で会社員をしていた時に、たまたま農業に関わりのある友人に誘われ、初めて軽井沢で農業を体験。その時には言葉にならないような大地のエネルギ ーを感じ、この時の忘れられない感覚を必ずカタチにしなければと思いました。その後は安定した仕事を退職し奈良に移住、農業法人での営業事務や、地域おこし協力隊の経験を経て、よしの農林業週末塾を立ち上げました。農業をはじめて気が付いたことは、田舎で暮らせば心が癒されるというわけではなく、肝心なのは人との交流、動物や自然界とのバランスの中で人間が生かされているという事、その中で調和をとって自律した生き方をする事こそがココロの豊かさだと、最近になってようやく理解が出来るようになりました。これは自然の中でしか身につかない事です。」
農林塾の大事にしていること
秋谷さんの主催する農林塾は他の農業体験と何が違うのでしょうか。
「農業体験でありながら心のケアを大切にしています。作業の完成度より、皆がココロから楽しんでいるか、ということに重きを置いています。作業後には、受講生から悩み相談のメールをもらうことがよくあり、参加した始めの頃と最後とではメールの内容が全然違います。受講を重ねる毎に自然界と関わる事で気づいた心の変化、そして生きる上で大切な事に気付いていきます。」
秋谷さんは、受講生が作業を通じて心が癒される事、人と人との繋がりを作る事を大切にしているそうです。
「なによりもみんなのオアシス、駆け込み寺になる場所にしたかった。いま8年経って実際にそういう場所になっていると実感しています」
こういう人に来てほしい
「農林塾には、昔の私のように、都会でストレスを抱え、里山で自然に触れたい、人間らしい生活をしたい、農業をしてみたい方に来てほしいです。 また農業をしてみたいけど、農家になりたいわけではなく、ちょっと体験したいという人にも人気ですね。要は人生を変えたい気持ちで来てくれます」
まずはとにかく実践してみよう、という精神でここまで進んできた、という秋谷さん自身の人柄も、農林塾の受講希望者が途切れない理由かもしれません。パワフルな秋谷さんが次に取り組みたいと思っているのは何でしょうか。
「今は農林塾の中でも新たにスタートした食文化コースに力をいれています。自然栽培の材料を使用し、添加物を使わない料理を作る。現代人は添加物や農薬まみれのモノを食べて、自然由来のホンモノを食べていません。この講座を伝えるには、大変な時間と手間がかかります。生きる事は食べる事。生きていく上で最も大切な事を皆さんに伝える為に、前に進んでいきたいと思っています」